治験管理室

治験管理室の取り組み

治験管理室長あいさつ

当院では、平成23年4月、新たな「治験」の受託を機に院内における治験事業の発展に向けた業務の強化及び一元管理のために「治験管理室」を開設致しました。医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師、診療放射線技師、臨床工学技士の専門職と医事課、システム情報管理室の事務職と治験施設支援機関(SMO)スタッフが協働し、円滑な治験実施体制の構築に努めております。
ご協力いただく被験者の皆さまの安全の確保と権利の尊重を第一に考え、医療の発展、治験データの信頼性確保と集積性の向上のために、質の高い治験業務の遂行を心かげております。
現在では、「済生会共同治験〈なでしこ治験〉」や「いばらき治験ネットワーク」にも参加し、患者さまが最新の治療を選択する機会を提供できるように、より多くの治験の受託を目指しております。
また、広報誌「治験管理室だより」を定期的に発行し、院外から講師をお招きし研修会「治験セミナー」を開催することで、治験責任医師・分担医師をはじめ、チーム医療を 通して「治験」を現場で支えるスタッフに「治験」を正しく理解していただく教育・啓発活動にも注力しております。
より良い「治験」の実施には、他の医療機関や地域のクリニックとの連携も大変重要になります。院内外の関係各位におかれましては、一層のご理解とご協力をお願い申し上げます

平成28年6月1日 治験管理室 室長 栗原茂仁

治験管理室の組織

管理担当者

宮永 直人

院長補佐(薬事・治験・化学療法担当)兼 泌尿器科主任部長 治験審査委員会委員長 済生会共同治験推進小委員会委員

室員名簿(院内スタッフ)

役職 氏名 職名 担当業務
室長 栗原 茂仁 治験管理室長(薬剤師) 治験管理室の統括
室員 鈴木 映美 臨床検査科係長(臨床検査技師) CRCの支援
室員 植木 理恵 臨床検査科主任(臨床検査技師) CRCの支援
室員 佐々木 允 放射線技術科係長(診療放射線技師) CRCの支援
室員 石川 淳也 臨床工学科科長補佐(臨床工学技士) CRCの支援
室員 飯島 敏恵 外来副看護課長(看護師 CRCの支援
室員 山本 未央 医事二課長(事務) CRCの支援
業務内容

新規治験案件の打診、実施可能性調査、施設選定・契約から実施、治験薬の搬入、治験薬の温度管理及び払出し、また、各種検査機器の精度管理からデータ管理、そして、被験者のスケジュール管理から来院時対応に至るまで多岐にわたる治験コーディネーター(SMO)業務について、治験担当医師と患者さんを中心に円滑に安全に実施されるように院内各部門の熟練したスタッフが支援し、症例集積性の向上に努めています。

治験の教育・啓発活動

治験管理室では、当院における治験業務が円滑に行われるように、院内の各部門から治験管理室のスタッフを選任しています。(※ 兼務)
治験の実施環境の整備や日常の検査機器等の精度管理、治験薬管理の補助はもとより、実施可能性調査やスタートアップの日程調整への協力から治験実施中の被験者対応の仲介等の支援を行っています。
また、治験責任医師、分担医師となられる医師や薬剤師、看護師、臨床検査技師、診療放射線技師、医事課職員等の治験に係る医療スタッフ間の治験におけるチームワークを醸成するために、《院内広報誌》「治験管理室だより」を季刊で発行しており、院内のみならず地域の医療従事者にも広くお声かけをして《講習会》「治験セミナー」を開催しています。
院内各部門の熟練したスタッフが支援し、症例集積性の向上に努めています。

治験管理室だよりの発行

「治験管理室だより」を院内に勤務するすべての医師と各部署宛に発行しています。当院にて治験に係る各部門の責任者やスタッフからの寄稿や、折々の話題、SMO所属の 治験コーディネーター(CRC)が院内に溶け込み活動しやすくなるような親近感溢れる自己紹介、分かりにくい治験用語の解説等を織り込み、「治験」の院内での普及・啓発の促進に努めています。

号・発行年月 巻頭言・特集
第1号
2012年1月
  • 「治験管理室だより発刊に寄せて」病院長 村田 実
  • 「済生会共同治験が始まります」
  • 「日立総合病院臨床試験推進センター 見聞録」
第2号
2012年4月
  • 「治験管理室長あいさつ」治験管理室室長 宮永 直人
  • 「いばらき治験活性化事業説明会 報告」
第3号
2012年7月
  • 「治験責任医師の経験から」腎臓内科部長 海老原 至
  • 「私たちCRCがお手伝いします」(自己紹介)
第4号
2012年10月
  • 「治験審査委員会委員長として」IRB委員長 内谷 哲
  • 「始動 なでしこ治験」(第1回済生会中央IRB開催)
第5号
2013年1月
  • 「治験審査委員として思うこと」外部委員 井坂 光宏
  • 「プラセボ対照試験の解説」
第6号
2013年4月
  • 「治験の側面と意義」薬剤部長 番場 和夫
  • 「有害事象と副作用」
第7号
2013年7月
  • 「治験部門立上げから2年半を振り返り」治験管理室 栗原 茂仁(薬剤師)
  • 「生物学的同等性試験(BE試験)とは」
第8号
2013年10月
  • 「患者さん、家族の心に寄り添って治験に関わる」治験管理室 木島 照美(看護師)
第9号
2014年1月
  • 「治験、デバイスラグについて」内科部長 千葉 義郎
  • 「精度管理の必要性」
第10号
2014年6月
  • 「臨床検査科と治験との関わり」治験管理室 駒木根 一世(臨床検査技師)
  • 「済生会共同治験実務者研修会 報告」治験管理室 石川 淳也(臨床工学技士)
第11号
2014年10月
  • 「いばらき治験ネットワークが製薬協から選定」(製薬協・治験ネットワーク活性化プロジェクトに参画)
第12号
2015年1月
  • 「脳梗塞治療と治験」副院長 森 修一(脳神経外科)
  • 「治験・臨床研究の促進に向けて」(治験セミナー報告:県立中央病院 小島 寛 先生)
第13号
2015年5月
  • 「第1回いばらき治験ネットワークフォーラム 報告」
第14号
2015年7月
  • 「今後、特化した地域医療急性期病院構築をめざして」臨床検査科長 直井 芳文
  • 「電子カルテの導入と治験の電子化」
第15号
2015年10月
  • 「医療、治験に真摯に取組む熱意に感服」外部委員 学校法人理事長 額賀 修一
  • 「PMDAによるGCP実地調査を受診」
  • 「人を対象とした医学系研究新倫理指針」(治験セミナー報告:筑波大附属病院 鶴嶋 英夫 先生)
第16号
2016年1月
  • 「治験施設支援機関(SMO)の将来と展望」サイトサポート・インスティテュート(株)吉田 賢
  • 「今、求められるALCOA原則」(株)エシック 東ヶ崎 協子
号外
2016年3月
  • 「人道的見地からの拡大治験とは」
第17号
2016年4月
  • 「第8回治験ネットワークフォーラム 報告」
  • 「済生会共同治験実務者研修会 報告」(症例集積性を高めるために)
  • 「Global試験の増加と治験のIT化の現状」
第18号
2016年7月
  • 「治験のメリット、デメリットを正しく理解し病院経営の活性化に繋げる」治験管理室室長 栗原 茂仁
  • 「治験ホームページをリニューアルします」
  • 「治験に係る保険外併用療養費とは」
第19号
2016年10月
  • 「がん医療の現場を通し臨床試験と治験の重要性について考える」がん化学療法看護認定看護師 上田 真由美
  • 「IRB 5分間セミナーを開講」
  • 「生澤先生の治験対応が全国1位に」
第20号
2017年1月
  • 「治験の中での診療放射線技師の役割」治験管理室 佐々木 允(放射線技術科)
  • 「治験は病院を元気に! 松山病院 宮岡院長」(治験セミナー報告:済生会松山病院院長 宮岡 弘明 先生)
第21号
2017年4月
  • 「治験のすすめ -治験は他院との差別化、患者増のツールになる-」副院長 生澤 義輔(整形外科)
  • 「生澤先生に金メダル授与」
  • 「グループワークで各施設の治験の悩みを共有」
  • 「済生会の力 -済生会共同治験ネットワーク-」
第22号
2017年7月
  • 「先進医療における治験への期待」記録保存責任者 事務部長 田口 賢寿
  • 「治験管理室に転属、間近で見るCRCのプロの仕事」治験管理室室長 栗原 茂仁
  • 「外資系企業、グローバル試験での治験薬の取扱い」
第23号
2017年10月
  • 「来春の「臨床研究法」の施行に向けて -ディオバンのデータ改竄事件を契機に本年4月7日成立-」治験管理室室長 栗原 茂仁(薬剤師)
  • 「IRB体制を拡充:外部委員(4号・5号委員)を増員 -治験審査委員会の成立要件をより確実にするため-」
第24号
2018年1月
  • 「治療の進化」治験薬管理者 薬剤部長心得 藤枝 裕郎
  • 「病院経営の中での「治験」の位置付け -医業外事業としての治験関連業務に期待する効果-」治験管理室室長 栗原 茂仁(薬剤師)
第25号
2018年4月
  • 「医薬品開発(新薬)のトレンドの変遷 -時代背景と医療の方向性、疾病構造を映し出す「治験」-」治験管理室 室長 栗原 茂仁(薬剤師)
  • 「済生会共同治験の標準化に向けて意見交換 -「治験の実施の成否は医師の意識改革がすべて」-」済生会共同治験実務者研修会報告
第26号
2018年7月
  • 「治験と臨床検査」医療技術部臨床検査科科長 浅井 雅彦
  • 「薬理学会が抗議!ドラマ「ブラックペアン」の何が問題なのか?これを機会に「治験」や「CRCの仕事」への社会の理解が深まることを期待」
第27号
2018年10月
  • 「施設毎で異なるCRCの役割」サイトサポート・インスティテュート CRC 西山 久美子
  • 樋口先生に治験依頼者から功労賞授与
  • 治験参加中は患者さんのすべての疾病と徴候を記録しています
  • 革新的がん治療薬の基礎研究成果にノーベル賞
第28号
2019年1月
  • 逆風に挑む病院経営で医療の質を高める 事務部経営企画室室長 舘 正明
  • 治験で近年話題の「CAPA」って何? 治験管理室室長 栗原 茂仁
第29号
2019年4月
  • 「治験実施体制で先行する2施設の相互交流 -松山病院、横浜市東部病院でのCRC研修(交換見学)について報告」済生会共同治験実務者研修会報告 治験管理室 栗原 茂仁
  • 国際競争力を有するより良い治験環境を目指して -日本が世界の医薬品開発をリードするため、ベンチマーク型費用算定によるTask Based Paymentの導入」
第30号
2019年8月
  • 「病院経営に資する本部事業としての取組みを周知」
  • 「これが国内有数のJCI認定病院の実力」済生会共同治験実務者研修会報告 治験管理室 栗原茂仁

第31号

2020年1月

  • 「これから治験に携わる先生方へ」       循環器内科 部長 樋口 基明
  • 「治験におけるBCP(事業継続計画)を検討中」医療機関、被験者の被災状況確認、停電への対応、原資料等データバックアップのための方策

第32号

2020年4月

  • 「済生会のスケールメリットで患者さんに貢献する共同治験」
      済生会本部特別参与 共同治験事務局長 植松 和子
  • 「新型コロナ、治療薬・ワクチンの開発動向は
     - 世界はいま、一日も早い「治験」の成果〈治療薬の実用化〉を待ち望んでいる -」
  • 「新型コロナ感染症拡大に伴う臨床試験の対応
    - 現行の臨床試験は継続困難に、FDA、PMDA、製薬各社の動向-」

第33号

2020年7月

  • 「新型コロナウイルス感染症により「治験」がクローズアップ」 
      治験審査委員 事務部次長 加倉井 寛寿
  • 「当院初の「再生医療試験」を実施〈循環器内科〉」
  • 「COVID-19治療薬・ワクチン開発を身近に感じる
    - アビガン臨床研究への参加とCOVID-19ワクチン調査回答- 」

第34号

2020年10月

  • 「新型コロナウイルス対策の現在地とwithコロナ時代の治験」

第35号

2021年1月

  • 「プラセボ対照試験の考え方-PMDA専門部会の考え方-」

第36号

2021年4月

  • 「新型コロナ変異株と問われるワクチン接種の手法」
  • 「国産ワクチン開発が遅れている訳」
  • 「COVID-19で注目、治験関連用語」
  • 「厚労省、JAK阻害薬オルミネントの新型コロナ効能追加審議」

第37号

2021年7月

  • 「新型コロナウイルスに不安を感じる一方、治験への協力意欲は依然高い」(3Hメディソリューション社調査より) 
  • mRNAワクチン開発のモデルナ、インフルエンザ用のmRNAワクチンの臨床試験を開始」(2021.7.12 BUISINESS INSIDER JAPANより)

第38号

2022年6月

  • コロナ禍収束後の通常治験の再開に向けて 
  • 治験ポイント解説の復刻について
治験ポイント解説の発行

新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行となり、停滞していた新薬開発の本格的な再始動、通常治験の再開へ向けて、院内スタッフ向けの治験の知識(当院の治験実施体制)の再確認を目的に、「治験ポイント解説」として院内IRB委員を対象に実施した「IRB5分間セミナー」の内容を現在の状況を踏まえ再編して提供している。

号・発行年月 内容
第1号 2022年6月

臨床研究の分類と治験、治験の倫理とルール

第2号 2022年8月

治験とGCPの動向

第3号 2022年10月

治験の計画・選定・合意

第4号 2022年12月

治験審査委員会の役割

第5号 2023年2月

CROとSMOの業務

第6号 2023年5月

被験者の選択と同意取得

第7号 2023年7月

逸脱とは

8号 20239

モニタリング・直接閲覧・監査

第9号 2023年11月

治験関係者の役割

第10号 2024年2月

CRCの業務(その1)

第11号 2024年4月

CRCの業務(その2)

第12号 2024年7月

治験における臨床検査等の精度管理

治験セミナー

「治験セミナー」では、治験を推進していくことが、新薬・新治療のための創薬・育薬ボランティアとして、次世代の人々の福利・健康に向けた社会貢献であり、病に苦しむ患者さんに最新の薬や最先端の治療法を使用する機会を提供するとともに、厳格な治験を実施できる医療機関であることが、地域や製薬業界から広く認知されることに繋がる事業であることについて、院内外の医療に携わるスタッフに向けて発信しています。

回・開催年月 内容
第1回
2011年7月
「筑波大学附属病院における治験の現状」筑波大学大学院教授 幸田 幸直 先生
第2回
2012年3月
「治験依頼者側からみた治験の品質管理と信頼性調査のための提案」武田バイオ開発センター 川口 卓志 先生
第3回
2012年8月
「よい新薬を使えるように –どうする? 日本の治験-」(2011.1.8 NHK Eテレにて放映・DVD視聴)
第4回
2013年1月
「済生会共同治験ネットワークのシステム構築と現状」済生会共同治験事務局長 福島 紘司 先生
第5回
2013年9月
「Walk & Talk –CRCの私、ただ今DM修行中-」京都大学附属病院臨床研究総合センター 横橋 祐子 先生
第6回
2014年11月
「治験・臨床研究の活性化に向けて」茨城県立中央病院副院長 小島 寛 先生
第7回
2015年9月
「臨床研究倫理指針改定と治験ネットワーク」筑波大学附属病院教授 鶴嶋 英夫 先生
第8回
2017年1月
「治験は病院を元気にします!」済生会共同治験推進小委員会委員長/済生会松山病院 病院長 宮岡 弘明 先生
第9回
2017年11月
「Fine Teamworkが推進する臨床治験」坂出市立病院副院長 中村 洋之 先生
第10回
2018年11月
「臨床研究の計画と解析」札幌医科大学医学部医療統計学教授 樋之津 史郎 先生