助産師が教えるおっぱいケア
妊娠経過にともない、乳腺・乳管組織が増殖し、乳房や乳頭、乳輪が大きくなり、母乳を作る準備が始まります。
出産後は乳房が急激に発育し、乳汁分泌が始まります。これが母乳です。
母乳はあかちゃんの発育に欠かせない栄養素も豊富なうえ、消化吸収もよく、感染症から守ってくれる免疫抗体も含まれているので、病気になりにくい体にしてくれます。
母乳の出方や乳房・乳頭の形は個人差が大きく、あかちゃんが吸いやすく良く出るようにするには、妊娠中からのおっぱいケアが必要です。
授乳準備
初乳が出たら乳頭・乳房を清潔に
妊娠5~6か月のころから初乳が出始めます。それが乳首の表面で乾いてカス状になって詰まることがあります。石鹸を付けたりごしごし洗う必要はありませんので、入浴時きれいに洗ってください。オイル(ベビーオイルやオリーブオイル)を塗って、ふやかしてからふき取るときれいにとれ、乳頭も柔らかくなります。
下着を変える
妊娠中期になるとホルモンのバランスの変化で、乳房全体が徐々に大きくなっていきます。また敏感にもなりますので、ブラジャーのワイヤーの締め付けが苦しくなく、ゆったりとしたサイズのものを選んでください。
マッサージについて
妊娠36週に入ったら積極的にマッサージを行いましょう。ただ、あかちゃんが小さめなどできるだけ妊娠を継続したい場合は控えましょう。その際は外来で医師または助産師から説明があります。
当院では、マッサージを始める前はどのようなマッサージ方法が良いか、どの程度行うかなど、その方にあった方法を助産師外来でお話しています。
ケアを行うタイミング
入浴後など、からだの循環がよくなっているときが望ましいです。
おっぱいケアを始める前の注意点
切迫早産がある場合
切迫早産がある場合は、乳頭を刺激することによって子宮の収縮を促し、早産が進んでしまうことがありますので、マッサージは行わないでください。
その他
乳頭をひっかいて傷をつけたり、菌が入らないように手のツメは短く切っておきましょう。
気になる食事
食べたほうがよいもの
乳腺は20週ごろから発達してきます。体を温めるものを摂取し、からだの循環を良くして産後に母乳がわいてくるようにしましょう。妊娠中のおっぱいはホルモンの影響で大きくなり充血しているために、循環が悪くなりやすくなりますので、気を付けていきたいです。
その他
乳頭をひっかいて傷をつけたり、菌が入らないように手のツメは短く切っておきましょう。
母乳外来
お産退院後は母乳外来にて、2週間後健診、乳房ケア、母乳育児相談、育児不安の相談、乳房トラブルや卒乳相談、赤ちゃんのフォローアップなど、専門の助産師がサポートしています。母乳育児については、1989年WHO・ユニセフの共同声明による「母乳育児成功のための10ヶ条」を取り入れ、乳児の健やかな成長と発達を支援しています。当院分娩の褥婦様だけでなく、他院分娩の方の乳房ケアも行っております。
母乳外来は、予約制で月曜日~金曜日の午後に行っております。予約は月曜~金曜の15:00~16:30に029-254-5151(病院代表)にお電話いただき、産婦人科外来につないでから「母乳外来の予約希望」とお申し出ください。