受診のめやす
受診のめやす
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最近なんとなく変だなと感じていても、認知症と診断されると思うと受診をためらってしまうことは誰にでもあります。しかし、特にアルツハイマー型認知症は進行性の病気ですので、初期症状がある場合はできるだけ早く医師に相談することが大切です。
治療の目的は、可能な限り症状を遅らせ、自立した生活を長く続けることです。本人が自分でできることを続けることで、自信にもつながります。
まずはかかりつけの医師に、気になる症状について相談してみましょう。もしかかりつけ医がいない場合は、地域の「地域包括支援センター」に相談することをおすすめします。地域包括支援センターは、高齢者の生活全般に関する相談窓口で、本人だけでなく家族も相談できます。センターの連絡先が分からない場合は、役所に問い合わせたり、ホームページで確認できます。
受診の目安
下記のような状況が見られる場合には、専門医に相談してください。
記憶力の低下が目立つ
- 最近の出来事や会話をすぐに忘れてしまう
- 何度も同じ質問を繰り返す
- 人の名前や物の名前が出てこなくなる
日常生活に支障が出始めている
- 物をよく失くす、誤った場所に置いてしまう
- 慣れた道で迷ったり、日常的な予定をこなすのが難しくなった
- 家事や仕事の段取りがうまくいかなくなり、混乱することが増えた
判断力や集中力の低下
- お金の管理が難しくなったり、計算ができなくなる
- 約束を忘れたり、計画を立てることが困難になった
気分や性格の変化
- 不安、イライラ、抑うつ感が頻繁に現れる
- 今まで楽しんでいたことに興味がなくなり、引きこもりがちになる
コミュニケーションに問題が出る
- 言葉を探すのに時間がかかったり、会話中に話の内容を忘れることが増えた
- 話の途中で何を話していたかを忘れ、言葉が途切れることが多くなる
家族や周囲の人が異変を感じる
- 家族や友人が、いつもと違う行動や言動に気づいたとき
- 違和感が続き、その頻度が増している場合
受診を考えるタイミング
症状が改善しない場合や、徐々に悪化している場合は、受診のタイミングです。特に、年齢や生活習慣が変わらない中で急激な変化が見られるときは、すぐに相談することが重要です。
受診先
かかりつけ医での相談が最初のステップとなります。そこから、必要に応じて神経内科や精神科、または認知症外来などの専門医に紹介されることが一般的です。