認知症は治療できる？治療法と新薬について

認知症の種類と症状

認知症の原因となる病気は約70種類あると言われています。その中でも大部分を占めるのが、次の4種類です。

最も割合が多いのはアルツハイマー型認知症、次いで血管性認知症やレビー小体型認知症の症例が多くなっています。

脳内に「アミロイドβ」や「タウタンパク質」といった異常な物質が蓄積し、脳神経細胞が破壊されることが原因です。

記憶力の低下	新しい情報や出来事を覚える力が低下します
時間や場所の混乱	日付や時間、場所を認識する能力が徐々に失われます
物忘れ	物を置き忘れる、物を探すのに時間がかかることが増えます
性格や行動の変化	落ち着きがなくなったり、不安や抑うつ感が現れることがあります

ゆっくり進行し、長期的に徐々に症状が悪化します。進行に伴い、身体機能にも影響が及ぶことがあります。

脳血管の障害（脳梗塞、脳出血など）が原因で、脳の血流が悪化し、脳細胞が死滅することで発症します。

認知機能の変動	発症後、急激に認知機能が低下し、その後一時的に安定することがあります。段階的に悪化するのが特徴です
身体症状の併発	脳梗塞や脳出血が原因となるため、半身の麻痺や言語障害など、身体に明確な症状が現れることが多いです
集中力や判断力の低下	特に計画的な行動や問題解決の能力が低下します
感情の変動	気分の落ち込みや無気力、怒りっぽくなるなど、感情が不安定になることがあります

段階的に進行し、エピソード的に症状が悪化することがあります。

レビー小体という異常なタンパク質が脳内に蓄積し、神経細胞が損傷されることで発症します。

幻視	リアルな幻視（実際に存在しないものを見たりする）を経験することが多いです
注意力や集中力の変動	認知機能が一日の中で変動しやすく、注意力が急に低下することがあります
パーキンソン症状	手足の震え、筋肉のこわばり、動作が遅くなるなど、パーキンソン病に似た運動症状が見られることが多いです
睡眠障害	睡眠中に夢を見て大きく動く「レム睡眠行動障害」が見られることがよくあります

認知機能の変動が大きく、運動機能の低下が早期から見られることが多いです。

前頭葉および側頭葉に異常が生じ、神経細胞が徐々に減少していくことが原因です。ピック病を含むこのタイプの認知症は、脳の特定の部分に限局して発症します。

行動や性格の変化	社会的なルールを無視した行動、衝動的な行動、無関心、感情の平坦化などが見られます
言語障害	話す言葉が乏しくなったり、言葉が出てこなかったりします。初期から言語機能が著しく低下することがあります
感情制御の低下	感情が極端になりやすく、怒りっぽくなったり、感情が抑えられなくなることがあります
常同行動	同じ行動を繰り返すなどの常同行動が見られることがあります

比較的若年で発症することが多く（40〜60歳代）、急速に進行する場合もあります。