病院長挨拶
病院長あいさつ
水戸済生会総合病院 病院長 生澤 義輔

水戸済生会総合病院のホームページをご覧くださりありがとうございます。
医学の進歩や食事・栄養の改善などにより最近百寿を迎えられる方が増え、人生100年時代が到来したと言われるようになりました。しかし一方で、ひきこもりやヤングケアラー、孤独死・孤立死の増加など様々な問題が顕在化しており、社会的支援を必要とする人達に対する社会福祉システムのさらなる充実が必要です。済生会は明治44年、明治天皇から桂太郎総理が、恵まれない人々に対し十分な医療を届ける事業(施薬救療事業)をおこすようにとのお言葉(済生勅語)を賜り設立された、全国組織の恩賜財団です。生(いのち)を済(すく)う会と書いて済生会、病をはじめ様々な悩みを持つ方を助け、生きる力を与える会を意味し、日本に社会福祉の概念がなかった時代からこれを実現して参りました。現在40都道府県下に全職員数66,000人と、日本最大の社会福祉法人です。
令和4年2月27日には総裁であられる秋篠宮皇嗣殿下ご臨席のもと、済生会創立110周年記念式典が明治記念館において執り行われ、発足の精神である施薬救療という済生の理念について再確認いたしました。また、これまでの3本柱である生活困窮者支援、地域医療の推進、医療と福祉の総合的提供をより進化させ、
1.無料低額診療事業やなでしこプランなどの社会的支援を必要とする人への援助
2.医療の公益性と効率的な経営の両立を図り地域医療を推進する
3.済生会の特徴を生かした独自の地域医療包括ケアの実施
4.ソーシャルインクルージョン推進計画による個別支援
を行い、誰一人取り残さないまちづくりを行うことを済生会の使命といたしました。水戸済生会総合病院においても医療活動のみならず、病院を飛び出して地域の皆さんと交流しながら積極的に健康増進の手助けになる活動をしております。
当水戸済生会総合病院は昭和18年6月30日に水戸市八幡町において済生会茨城診療所として開設されてから82年、現在名に名称を変更したのち双葉台に移転してから40年が経ちます。茨城県立こども病院とは廊下続きで中央には県の総合周産期母子医療センターがあり、産科、麻酔科が24時間当直体制を整え、三次周産期医療を行っております。また、県央・県北の高度急性期を担う病院として、茨城県のドクターヘリ、水戸市のドクターカーを有し、救命救急センターでは多発外傷やECMOが必要な三次救急対象者を中心に治療しています。
新型コロナウイルス感染症に対しても、公的病院として重症者を中心に入院を受け入れ、重点医療機関として積極的に検査、治療を行って参りました。令和5年5月8日からは5類感染症となりましたが、もうしばらくの間は院内でのマスク着用をはじめ、感染対策における皆様のご理解・ご協力をお願いしたいと思います。
なお、高度急性期病院としての機能を高めるため本館2階を改修し、令和5年2月1日から新ICUとして運用開始しております。これまでのICUは救命救急用HCUとすることで、救急患者さんの受け入れ体制も強化することが出来ました。このように時代の要請に従って、病院は外観も中身も少しずつ変化しておりますが、基本となる済生の精神は変わりません。皆様に信頼され愛されるような病院づくりを目指し、職員ともども日々研鑚を積んでいく所存ですので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
令和7年4月1日