妊婦生活 日常での過ごし方
妊婦生活 日常での過ごし方

妊娠中の栄養

水戸済生会総合病院で満足出産

妊娠中は、母体の子宮や乳腺が発達し、血液量が増えます。また、胎児が発育し、胎盤、羊水量が増え、体重は約8~10kg増えるのが普通です。そのため、妊娠中は妊娠前よりも必要な栄養量が付加されています。赤ちゃんの分もと言って、過剰摂取にならないよう、栄養バランスの良い食事を心がけ、合併症を予防することが大切です。
赤ちゃんと2人分の健康を考えて、毎日きちんと必要なものを、必要なだけ摂りましょう。そして、快適な妊娠期間を過ごし、「いいお産」をめざしましょつ。

かしこい食生活十か条

  1. あ 安全な食品を選びましょう
  2. か カロリー控え目、栄養はきちんと
  3. さ さっばり薄味、調理の工夫
  4. た 楽しい食事は心の栄養
  5. な 何回も同じものを食べないで
  6. は 早食いは肥満のもと!
  7. ま 毎日30品目は食べましょう
  8. や 野菜、海草は栄喪の
  9. ら 乱暴な食生活は、明日にツケが
  10. わ わたしブランドの食生活

安全な食品を選びましょう

食品添加物・農薬から、身体を守りましょう。

加工食品を選ぶときは添加物にも注意して、より安全なものを選びましょう。

卵・レバーは栄蓑価が高く安価な食品ですが、安全性には注意が要ります。

肝臓は飼料中の残留農薬・食品添加物・抗生物質などが蓄積されている可能性があります。
化学肥料と杭生物質を与えられた鶏の卵など、とり過ぎないようにしましょう。

新鮮な牛乳は1日200mIまで。ロングライフ牛乳は感心しません。

輸入食品の安全性(防腐剤・ワックス・放射線照射·残留農薬など)にも注意を払いましょう。

カロリー控え目、栄養はきちんと

必要な栄養素をきちんととっても、カロリーオーバーにならないように!

からだに必要のない高カロリー食品(甘いおやつ・スナック菓子・清涼飲料水)は口にしないこと。
ラーメン・スパゲッティはご飯3~4杯分です。

たんぱく質は良質で低カロリーのものを選びましょう。

同じ動物蛋白質を常食するとアレルギーの原因になる可能性があります。
一つの食品ばかり食べることは避けましょう。

カロリーを控えるための料理のコツ。

良い食材を選ぶ。(海藻類・小魚・貝類・緑黄色野菜・豆類・乾物類など)
単品で高カロリー食品は我慢! (ラーメン・スパゲッティ・カレーライス・トンカツ・フライドチキンなど)
おやつは、我慢! 「少しぐらい」は禁物。

カルシウムを意識しよう!

カルシウムは吸収されにくい栄蓑素です。カルシウムを多く含む食品(丸干し·干しエビ・牛乳・小松菜・チーズ・ごま・豆腐・切干し大根・納豆)を選び、吸収を助ける栄養素(たんぱく質+ビタミンC·D/魚、卵、干ししいたけ)と一緒に食べ、効率よく利用できる(運動)ように心がけましょう。

貧血予防に鉄分をたっぷりとりましょう。

鉄分の多い食品(ひじき・ちりめんじゃこ・しじみ・あさり・切干し大根・ほうれん草・大豆・ごま・豆腐・干しわかめ)などを、吸収されやすい食べ方(油で調理する・ビタミンCと一緒に食べる)を工夫してとりましょう。

さっぱり薄味、調理の工夫

1日10g以下(理想は7~8g)を目標にしよう!

腎臓への負担を軽減し、妊娠高血圧症候群を予防しましょう。濃い味付けはカロリーも高くなります。肥満防止のためにも薄味を心がけてください。

調理の仕方で、こんなに違うカロリー!

ぶた
100g=186kcal
ゆでぶた → 186kcal
ポークソテー → 338kcal
とんかつ → 474kcal
ほうれん草
100g
おひたし → 30kcal
ソテー → 50 kcal
ごまあえ → 150kcal
食パン
1枚160g(6枚切り)=160kcal
ジャム15g → 200kcal
バター8g → 220kcal
フレンチトースト → 350kcal
ゆで卵
1個=80kcal
オムレツ → 130kcal
卵焼き → 140kcal
サラダ
てのひら1杯=10kcal
+塩とレモン → 10kcal
ドレッシング10g → 87kcal
マヨネーズ20g → 143kcal
あじ
80g=110kcal
塩焼き → 120kcal
煮付け → 130kcal
ムニエル → 340kcal
  • 煮物は柔らかく煮てから、調味料をからませる。
  • 酸味(レモン・ゆずなど)を使うと塩分が少なくてすむ。
  • 香味野菜(生姜・しそ・みょうが・ごま風味など)を利用する。
  • つけ醤油・かけ醤油は少なめに。

砂糖は体内のカルシウムやビタミンBを消耗します。

体重1kgあたり1日1gまでにしましょう。(体重50kgで砂糖1日50gまで)

砂糖
スポーツドリンク1本 12.3g
炭酸飲料1本 32.5g
缶コーヒー1缶 18g
バニラアイスクリーム1個 34g
ショートケーキ1個 48g
どら焼き1個 41g

楽しい食事は心の栄養

「朝は金、昼は銀、夜は銅」

朝食はその日の力になりますが、夕食後は寝るだけなので、カロリーとして蓄積されるだけです。同じものを食べても、朝食べれば「金」の価値、昼食べれば「銀」の価値、夜になると「銅」の価値です。どうしても高カロリーのケーキが食べたいときは、なるべく午前中に食べ、その日のうちに燃焼してしまいましょう。

行事食を楽しみましょう

季節ごとに節目となる行事(お正月・節分・ひな祭り・端午の節句・お盆・お月見など)や家族の記念日は、カロリーを制限した質素な食事の毎日に素敵な潤いを与えてくれます。ちょっとあらたまった感じの、我が家流行事食にトライしてみましょう。

楽しい食卓の演出を!

薄味の野菜中心の料理で味気ないと感じたら、食卓を演出してみてはいかがでしょう。

何回も同じものを食べないで

アレルギーの予防を!

アレルギー反応は、体内に入った異物の害を食い止めようとする杭原抗体反応によって起こるものです。原因はさまざまで、食物や環境汚染、遺伝的体質などの複雑ですが、妊娠中の食生活である程度予防できます。それには、同じ剌激を自分の身体に与え続けないよう蛋白源の種類を毎日変え、同じものばかり食べないようにします。
アレルギー四大食品の肉・牛乳・卵・大豆の過剰摂取は避けましょう。

早食いは肥満のもと!

よく噛むことに、多くのメリットがある。

急いで食べると、満腹だと気づく前に、つい食べ過ぎてしまいます。ゆっくり食べると、8割の量でも満腹感が感じられ、満足感が得られます。肥満防止のために早食いは禁物です。よく噛むと、多量の唾液が出て、消化を助けます。1口30回以上噛む習慣をつけましょう。1口食べたら箸を置いて、ゆっくり噛みしめ、食品のうま味を楽しみましょう。

毎日30品目は食べましょう

蛋白質・糖質・脂質・ミネラル・ビタミンをバランス良く取りましょう。

調味料や飲料も含め、食べた食品の材料を一つひとつ数えますが、3食同じものを食べても1品目として数えます。6つの食品群から少なくとも2~3品目、野菜類は特に多く取りましょう。

体のもと ①魚・肉・卵・大豆・豆腐・レバー
②牛乳・ヨーグルト・ひじき・海草・小魚
元気のもと ③人参・かぼちゃ・ほうれん草・ニラ・ブロッコリー・小松菜・ピーマン
④大根・かぶ・キャベツ・たまねぎ・きゅうり・セロリ
カのもと ⑤ごはん・パン・麦・めん・いも・砂糖
⑥バター・マーガリン・植物油・ごま

野菜、海草は栄養の宝庫

繊維質はからだの活性剤

妊娠中は普段より運動量が減り、腸が圧迫されるので、便秘になる人が多いです。腸を掃除する働きのある繊維質の多い食品(野菜・海草・乾物)を食べ、便秘を予防しましょう。

繊維質の多い食品

かんぴょう・切干し大根・きくらげ・ひじき・あおのり・大豆・小豆・ごま・ごぼう・さつまいも・玄米・小麦胚芽など

色の濃い野菜をたくさん食べましょう!

緑黄色野菜には、淡色野菜に比べ、ビタミンA・B群・カルシウム・鉄分・蛋白質が多く含まれています。サラダ(生野菜)では一度にたくさんの量が食べられないので、火を通して食べると良いでしょう。加熱によるビタミンの損失はありますが、「強火で手早く」調理し、量を多く摂ることで十分補えます。

乱暴な食生活は、明日にツケが

特別デーの翌日は、より低カロリーで過しましょう。

今日はパーティが…、いただき物があって…、実家でご馳走になって…と、好きなものを好きなだけ食べてしまうこともあります。
栄養は“食いだめ”できません。でも、カロリーはたまっていきます。

外食は控えましょう!

外食は、カロリーオーバーになりやすく、緑黄色野菜・海草などが不足しがちで、濃い味付けのことが多いです。(ラーメン・スパゲッティ・カレーライス・丼ものなど)栄養のバランスのとれた献立を(定食・ランチなど)選びましょう。

わたしブランドの食生活

もっと我が家の味にこだわりを持とう!

飽食の時代にあって、外食産業の繁栄はめざましいものがありますが、果たして、私たちの食卓は豊かでしょうか? 加工食品(食品添加物・化学調味料)をできるだけ避けて、我が家の味を大切にしましょう。作るたびに味が違っていても、それが家庭にとっての魅力になります。

飲み物にも気をつけて!

ジュース・コーラ・スポーツドリンクなど、カロリーの高いものは飲まないこと。
カフェインの多いコーヒー・紅茶・緑茶は、1日に何杯も飲まないこと。
冷たい飲み物は体を冷やすので、夏でも熱いお茶をおすすめします。
カフェインが少なく、ビタミンの多い、番茶・ほうじ茶・麦茶などが良いでしょう。

我が家のパターンとバリエーションを!

野菜類など1品で使い切らず、干物・ごま・のり・梅干などの保存食品と、味噌・酢などの基礎調味料を上手に使い、同じ材料をアレンジすることで、バラエティに富んだ献立を食卓に!

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オムレツ おから煮
カレーライス かばやき(いわし)
アイスクリーム あずきごはん
さん サンドイッチ サン さんまの塩焼き
ヤキソバ 大豆の五目煮
すめ スパゲッティ いも
ハムエッグ すし
ハンバーグ きんぴらごぼう
ギョウザ まぜご飯
トースト 丸干しいわし
クリームスープ 酢の物
てんぐさゼリー(寒天)
切干し大根