知れば安心、お産のこと
知れば安心、お産のこと

お産の流れと過ごし方

水戸済生会総合病院で満足出産

お産に対する正しい知識を持つことで自分のお産の進み具合をある程度つかむことができ、未知のものへの不安や恐怖からのがれることができます。
「痛いから不安、不安だから緊張する、緊張すれば余計痛い」という悪循環に正しい知識でストップをかけ、呼吸法やリラックス法などの技術で悪循環から脱出しましょう。お産のとき、自分の状態を冷静に受け止めることができれば、お産を乗り越えるために自分をコントロールすることができるようになるでしょう。「痛い、痛い!」のパニック出産ではなく、主体性を持って、納得のいくお産、満足できるお産を体験してください。

呼吸法

お産のとき、陣痛の痛みがくると、じっと息を止めがちになりますが、そうすると赤ちゃんに酸素が十分にいきません。お産の間、長時間にわたって、収縮のたびに息を止めていると、赤ちゃんは酸素不足となり、苦しくなってしまいます。ですから、お産の間ずっと良い呼吸をし続けることが大切です。吐く息に意識を集中すると全身の力が抜け、リラックス効果があります。特にゆっくり深呼吸をするとリラックスできます。

陣痛が強くなってきたら、意識して呼吸法に集中し、痛みで自分の体の状態を乱されるのではなく、自分で意識的に呼吸を調節して、痛みをコントロールできるように練習しましょう。

陣痛の強さに合った速さ・リズムを取って、自分が一番楽な呼吸法を選んで行います。また、呼吸法に合わせ、痛みを強く感じる腹部や腰部をマッサージしたり、痛い部分を圧迫することで、痛みが分散し、緩和されます。呼吸法の練習と一緒に練習しましょう。

吐く息で下に向かって、おなかのマッサージ。吸う息で上にもどし、繰り返します。

吐く息に合わせて、おなかを斜め上から下に向かってマッサージします。吸う息でもどし、繰り返します。

産婦の気持がよいように腰のマッサージを介助者が行いましょう。

リラックス法

痛みで体を緊張させ、全身に力が入ると、不必要に体力を消耗させ、スムーズにお産が進まないこと(難産)が起こります。全身の緊張は、産道(赤ちゃんの通り道)も緊張させ、子宮口が固く閉まってしまいます。緊張して狭くなってしまった産道を赤ちゃんが押し分けて通るとき、ますます痛みは強く感じるでしょう。
意識的に全身の力を抜き、リラックスをすると、産道の緊張が取れ、お産がスムーズに進みます。また、赤ちゃんへの血行が良くなり、胎児心音の異常も少なくなります。痛みの感覚を遠ざけ、痛みを和らげると共に、心理的にも安定してきます。

全身のリラックス

リラックスした状態を体でおぼえる為には、一旦、全身に力を入れ、それから逆に力を抜いてみましょう。リラックスした感じがよくわかります。

  1. 仰向けに寝て、顔から足の先まで全身の筋肉を緊張させておいて、一度に全身のカを抜いてみます。
  2. 同じように全身の筋肉を緊張させ、今度はゆっくりと力を抜きます。手の先、足の先、全身から力が抜けていくのを感じ取りながらしてみてください。
  3. リラックス法はかたちがないので練習しにくいですが、吐く息に意識を集中して行いましょう。

タッチリラックス

夢中になると、気づかないうちに体に力が入ってしまいます。緊張している部分(下肢・肩など)に「ここの力を抜いて!」と手で触れられたら、すぐにそこの部分の力が抜けるように練習しておきましょう。

  1. 介助者が手を当てた部分の筋肉だけを緊張させ、すぐ反射的に力を抜きます。
  2. 介助者は、緊張→リラックスができているか確認しながら、手を当てる場所を変えていきます。
  3. 体に加わるいろいろな力を自分でコントロールできるようになりましょう。