放射線技術科 核医学
核医学検査
核医学検査とは、ごく微量の放射線を出す薬(放射線医薬品)を投与して、病気の治療や診断を行うことを言います。
核医学とは?
核医学は、ごく微量の放射線を出す薬(放射性医薬品)を投与して、病気の治療や診断を行います。体に入った放射性医薬品は、診断したい臓器に集まり、ガンマ線と呼ばれるエックス線に似た放射線を出します。この体から出てきたガンマ線を特殊な装置(ガンマカメラ)でとらえて、身体の各臓器の働きや病気の有無を画像化します。
核医学検査の流れ
- 核医学には、病気に応じて100種類以上の検査法があります。まず、主治医が病気の診断に必要かつ最適な検査法を選びます。
- 検査法に応じた放射性医薬品を投与します。多くの場合、1~2mlと少量の静脈注射です。
- 引き続きガンマカメラで撮影する場合と、放射性医薬品が目的臓器に集まるまで時間を要する場合があります。そのため、撮影までしばらくお待ちいただくこともあります。
- ガンマカメラでの撮影は、10~30分程度です。撮影の間はベッドに横になっているだけです。
核医学の安全性
放射性医薬品を用いた検査では、10万人を検査して1.3人の割合で副作用が出ることがありますが、この比率は年々減少してきています。
心臓、脳、甲状腺、腎臓では、その働きをより詳しく知るために、検査前に運動をしたり、別の薬品を使って負担をかけることがあります。このような場合、心臓がドキドキすることがありますが、担当医が常に体の状態をみながら検査を進めますので心配はありません。
投与された放射性医薬品は、短時間で崩壊してなくなる性質を持っています。更に、臓器に集まった後に、尿や便中から排泄されるため、時間とともに体の中からなくなっていきます。
そのため、検査で受ける放射線は、0.2ミリシーベルト~8ミリシーベルト程度です。
胸部レントゲン検査で0.01ミリシーベルト、胃の透視で3ミリシーベルト、CTでは10ミリシーベルト程度の被曝を受けます。核医学検査では、他の検査よりたくさん放射線をあびるわけではなく、通常のレントゲン検査と同様、安全に受けることができる検査です。
核医学検査で受ける被曝は、このようにごく微量なので心配はありません。日本では年間約100万人の患者様が核医学検査を受けていますが、放射線による悪影響がでた報告はありません。しかしながら、妊娠中の検査には十分に配慮がなされるべきでむやみに検査をするべきではありません。
必要な検査を適切に行うことによって、患者様の利益のほうが放射線による危険よりもはるかに大きくなることが知られています。