認知症の治療方法
認知症の治療
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認知症の治療には、主に薬物療法と非薬物療法(生活改善やリハビリなど)があります。認知症は根本的に治すことが難しい病気ですが、治療によって症状の進行を遅らせたり、患者さんの生活の質を向上させたりすることができます。。
薬物療法
認知症の症状に対しては、いくつかの薬が用いられています。特に、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症に効果が期待される薬があります。
- アセチルコリンエステラーゼ阻害薬:この薬は、記憶や学習に関わる「アセチルコリン」という物質を増やす働きがあります。これにより、物忘れや思考力の低下を抑えることができます。代表的な薬には**ドネペジル(アリセプト)**があります。
- NMDA受容体拮抗薬:この薬は、神経細胞を過剰な興奮から守ることで、脳の損傷を抑える効果があります。特に中期から後期のアルツハイマー型認知症で使われることが多く、メマンチンが代表的です
- これらの薬は、病気の根本的な進行を遅らせることが出来ますが、認知症早期患者さんに適応が限られていることが多いです。
最近では、認知症の原因とされる「アミロイドβ」や「タウタンパク質」を標的とした新しい治療薬の研究も進んでいます。これらの薬は、病気の根本的な進行を遅らせることを目指していますが、現段階ではまだ特定の患者さんに限られていることが多いです。
非薬物療法
薬に加えて、日常生活での改善やリハビリも認知症の治療にとって重要です。
- 認知機能の訓練:認知症の進行を遅らせるために、脳を刺激する活動が有効です。たとえば、日記を書く、簡単な計算をする、パズルを解くなどが推奨されます。
- 運動:適度な運動は、脳への血流を良くし、認知症の進行を遅らせる効果が期待されています。ウォーキングや軽い体操が特に有効です。
- 生活習慣の改善:バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスの少ない環境を維持することも、認知症の進行を緩やかにする助けとなります。
- 社会的な活動の維持:家族や友人との交流、地域の活動に参加することが、孤立を防ぎ、脳の活性化に繋がります。