地域のみなさまへ

当院のがん対策について

茨城県がん診療指定病院

地域のがん医療水準の向上のために

茨城県では、「茨城県総合がん対策推進計画」に基づき、国が指定するがん診療連携拠点病院等と連携を図りながら、県独自にがんの専門的な医療の提供等を行う医療機関(がん専門医療機関)の体制を整備するために「茨城県がん専門医療体制整備要綱」を定めました。

茨城県のがん医療水準の向上を図るとともに県民の皆さまに安心なかつ適切ながんの専門的な診療が受けられるようにすることを目的としています。
がん専門医療機関とは茨城県が指定する「茨城県地域がんセンター」「茨城県小児がん拠点病院」および「茨城県がん診療指定病院」のことを言います。
このうち、「茨城県がん診療指定病院」とは、下記の要件のいずれかに該当し、県が定める「茨城県がん診療指定病院の整備要件」を充足する病院を茨城県知事が指定するものであり、当院もこの指定を受けております。

  1. がん診療連携拠点病院と同等の診療機能を有する病院
  2. 特定領域のがんについて、県内で顕著ながん診療の実績があり、高度のがん治療を提供している病院
  3. がん診療連携拠点病院が未整備の保険医療機関にある病院

当院のがんへの取り組み

患者さんご家族と共にがんに向き合う

現在、国民のおよそ2人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががんで亡くなる時代となりました。これから先、高齢化の進行に伴い、がん患者はさらに増加していくものと予想されています。このため国では1984年度に「対がん10カ年総合戦略」を策定し対策を強化したのをはじまりとして、およそ10年ごとに戦略・計画を見直し、「がん研究」、「がん予防」および「がん医療の向上とそれを支える社会環境整備」を柱とする対策を進めてきました。県においても、国の方針に沿った対策に県独自の施策を加えた「茨城県総合がん対策推進計画」(現:第4次計画)を基本に、(1)がん教育とがん予防(2)がん検診と精度管理(3)がん医療提供体制と生活支援(4)がん登録とがん研究 の4つを柱に「がんを知り がんと向き合う~県民の参療を目指して~」というスローガンを掲げその実現を目指しています。

当院もこのスローガンのもと、がん医療水準の向上や地域への良質ながん診療の提供に尽力して参りました。

がん診療・機器・スタッフの充実

当院では、国、県のがん対策関連法律の整備や計画の策定によってがん治療への重点的・長期的な取り組みが求められる中で、早い時期からがんの診断・治療に力を入れ、機器の充実や診療スタッフの育成・確保を図りながら症例実績を積み重ねてきました。 機器や人材の充実に合わせて、化学療法の向上にも取り組み、従来設置していた化学療法関連の委員会の業務を拡張してレジメンの審査や院内研修を行うようにしてきました。緩和ケアについても当院は他に先駆けて緩和ケア病棟を開設するなど先進的な取り組みを続けており、専任医師や緩和ケア認定看護師を中心にケアチームの充実に努め、地域から高い評価をいただいています。

また、専門職員を育て「がん相談支援室」を開設するとともに、臨床統計に不可欠な「院内がん登録」の業務を開始。「セカンドオピニオン外来」の体制も整備するなどソフト面の充実も図ってきました。

それらに加えて、当院のがん診療における高次意思決定機関としての役割を担うキャンサーボードを設置して各部署の連携協力を図ってきました。

これらの実績が認められ平成23年4月1日に「茨城県がん診療指定病院」の指定を受けました。これからも、希少がん、小児がん、AYA世代を含むがん患者さんに対し、県央・県北地域の地域がんセンターおよび他の様々な医療機関と提携して、診断・治療、妊孕性温存療法を含む支援、情報提供、がんゲノムを含む地域医療連携などの重要な役割を果たしていきます。

 

リンク:茨城県がん診療連携協議会について

リンク:がん診療連携拠点病院(茨城県)

院内がん登録

院内がん登録とは、「がん対策基本法」に基づき、院内におけるがん診療実態の把握や県・国のがん対策立案のための情報提供を目的として、院内で診療や診断を行った全ての患者さまのがんについて、その診断から治療ならびに予後に関する情報を登録、収集していくことをいいます。当院では、平成21年9月より「がん診療連携拠点病院等 院内がん登録 標準登録様式」に則って、1腫瘍1登録、初回治療時の情報登録を行っております。がん登録データの取扱いについては、当院の個人情報保護方針に従い、厳重な注意を払っております。

院内がん登録情報の利用

院内がん登録室で登録された情報は、次のことに活用されています

  1. 院内での診療実態把握、分析
  2. 院内がん登録全国集計(提出先 国立がん研究センター)への情報提供
  3. 全国がん登録の提出および茨城県地域がん登録への届出
  4. 生存率算出および予後調査

予後調査支援事業について

当院では、生存率を把握することを目的に、定期的に予後調査を行っています。
当院に長期間受診されていないなどの理由により、院内で予後情報が把握できない場合は、国立がん研究センターが実施する院内がん登録予後調査支援事業にて、各市区町村へ住民票照会を行っています。
個人情報の利用についてご同意いただけない場合は、下記窓口までお申し出ください。その場合でも診療に関しての不利益は一切生じません。

【当院窓口】
医事一課 病歴管理(院内がん登録担当)
TEL:029-254-5151(代表)

QI研究への参加について

当院では国立がん研究センターが実施しているQI(Quality Indicator:診療の質指標)研究に参加しています。
本研究は、がん医療の“均てん化”を推進することを目的に、標準的な診療がどの程度行われているかを、その実施率(行われている割合)でスコア化するものです。施設や地域ごとの実施率を検証することで、標準診療の普及の程度やがん診療における問題点が明らかになり、それを認識することによって、患者さんに提供する医療の質の改善につながることが期待されます。
研究に用いるデータは、院内がん登録データとDPC (Diagnosis-Procedure Combination) データです。これらは個人情報の保護に関する法律を遵守し、適切に管理しておりますので、個人情報の漏洩や患者さん個人が特定されることはありません。
情報が当該研究に用いられることについて、患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記文書内に記載されている担当者までお知らせください。協力を拒否されたことにより、患者さんに不利益が生じることは一切ありません。

国立がん研究センターQI研究事務局「がん診療均てん化のための臨床情報データベース構築と活用に関する研究」(PDF)

臨床研究に関するオプトアウトについて

院内がん登録では、国立がん研究センターが主体となって行われている臨床研究「院内がん登録について~がん医療の向上のために~」について、研究協力を行っています。研究のために自分のデータが使用されることを望まれない方は、当院担当の窓口までお知らせください。

院内がん登録二次利用についての拒否(オプトアウト)説明書

登録件数

院内がん登録全国集計

国立がん研究センターがん対策情報センターでは、各施設より提供されたデータを集計し、全国集計報告書としてがん対策情報センターのホームページに公表しています。

「国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』

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