部門

救命救急センター

救命救急センターの特徴

水戸済生会総合病院救命救急センターは茨城県県庁所在地水戸市に位置する救命救急センターです。県央地区の救急医療を中心に日々診療に取り組んでおります。当救命救急センターは救急外来を核とした救急医療・初療対応、集中治療(ICU,EHCU診療)、院内対応(RRS:院内迅速対応システム)、病院前診療(ドクターヘリ、ドクターカー)、災害医療(DMAT)等を行なっております。 救急外来においては重症傷病者の受け入れを積極的に行い、専門診療各科との連携協力のもとシームレスな集学的治療を展開しております。 救急科専攻医及び病院救急救命士等の救急医療に従事するスタッフの育成にも力を入れ地域救急医療充実を図っております。

ドクターカーの活動のご紹介

救急通報から出動まで

ドクターカーは、次のようなシステムで出動します。
  1. 水戸市内および城里町内の一般の方からの119 番要請
  2. 茨城消防救急無線・指令センター( 茨城県共同指令センター) の指令員もしくは出動救急隊が,通報内容や指令内容からドクターカーの必要性判断救急隊出動と並行してドクターカーの出動指令
  3. 水戸市消防本部から毎日当院に駐在している院内待機のドクターカー隊員に連絡
  4. ドクターカーのスタッフの一斉出動PHS に出動指令
  5. ドクターカー出動 医師1~2名、看護師1名、救急救命士など救急隊2名で出動
症例としては、脳疾患、心疾患、事故による重症外傷、ショック症状、心肺停止などに対応しています。定期的に当院スタッフと水戸市消防本部の救急隊員の皆さんとでドクターカーに関する合同カンファレンスの場を持ち、症例ごとの対応の振り返りや運用全般についての検討を行っています。日常の業務やこうした場で更に意思疎通を図り、お互いの連携を深めていくことで、より効果的なドクターカーの運用が期待できると思っています。

ドクターカーの装備

ドクターカー スタッフの医師として

今となっては救命センターをはじめとして、ドクターカー事業に関わっている医療機関は全国的に珍しくはありませんが、水戸市ドクターカー運用開始当初は全国でもこの事業を展開している医療機関はそう多くはありませんでした。私も最初、ドクターカーという言葉自体も聞いたことがありませんでしたし、ましてやその業務内容たるや知る由もありませんでした。しかし、ドクターカーやドクターヘリの活動に取り組むうちに、プレ・ホスピタル(病院で診療を受ける前)の医療行為の価値の大きさを心に植え付けられました。ドクターカーはじめ救急活動では、医師が直接病院外に出て行き、患者さんやご家族の方々などの生活そのものの中に飛び込んで行くこともあります。また消防や警察、行政、時に自衛隊など、各方面のスペシャリストの方々と共に、現場では常に連携して活動することが求められます。危険を感じる場面や、時には民家の中に入り、時には路上に横たわる傷病者に接触し、時には到底自分一人だけでは太刀打ちできないほど多数の傷病者を前にスタッフに対して的確・迅速な指示、処置を行わなければならない場面に遭遇することもあります。そうした中で、現場での資源を最大限に生かして、自ら考え、決断し、いかに最大限のパフォーマンスを発揮するかが求められます。

事業の一層の充実に向けて

私が初めて当院救急科のドアを開けてから、間もなく10年が経ちます。ドクターカー事業を通じて、数え切れないほどの仲間と関わりながら、数え切れないほどの貴重な体験をさせていただき、その理想の形を今なお模索中です。10 年経った今でも、出動要請があれば変わらぬ緊張感、使命感を持っている自分に気付きます。改めて今強く感じることは、病院前診療には全ての医療に通じるような、医師としての根源的な財産がいくつも転がっているということです。最後に、当救命救急センター運営にいつもご協力いただいている皆様に心より感謝申し上げますと共に、これを今読んでくださっているあなたが、このような救急医療に少しでも関心を向けていただき、できるところから我々と共に命を守る活動に足を踏み入れていただくことを心より願っております。

救急受診者数関連

救急受診患者数と救急車搬入患者数

ドクターカー・ドクターヘリ出動状況