【鶏卵アレルギー】アレルギー検査で卵白クラス2, クラス3ってどれくらい食べられるの?
アレルギー検査を実施して卵白がクラス2, クラス3と陽性となっていたとき、それだけで完全に除去してしまっている方がたくさんいます。実際にその検査結果で、どれくらい摂取できるのかを答えていきたいと思います。
今回は「イムノキャップ」で測定した結果のプロバビリティカーブをお示しします。「View39」などの多項目を同時に測定できる検査結果は当てはまらないことに注意してください。(39項目のアレルギー検査は慎重にすべき4つの理由)
食物アレルギーの診療の手引き2017
ここで出てくる3種類の卵料理ですが、「全卵1個炒り卵」は言葉通り、全卵1個をしっかり火を通して作った炒り卵です。「加熱全卵1/4つなぎ」は全卵1/4個をパンケーキやハンバーグなどに使用したもので、全卵1個を使用して4つパンケーキやハンバーグなどを作ったうちの1つのことです。「加熱卵黄つなぎ」とは生卵の殻を割ってその殻同士を卵黄を行ったり来たりさせてなるべく卵白を残さないようにした卵黄を使用してパンケーキやハンバーグなどに使用したもので、卵白量では1-2g相当で全卵1/32個相当です。アレルギー症状はタンパク量が多い方が出現しやすくなるため、症状誘発の可能性は「炒り卵1個」>「加熱全卵1/4つなぎ」>「加熱卵黄つなぎ」となります。実際のアレルギー診療ではリスクの低い順に摂取できるかどうかを確認していくため、「加熱卵黄つなぎ」⇨「加熱全卵1/4つなぎ」⇨「炒り卵1個」と進めていきます。(詳しくは当院の小児食物アレルギーのページをご覧ください。)
「イムノキャップ」でクラス2とは0.7-3.5未満、クラス3とは3.5-17.5未満のことを言います。
「クラス2」の方は「加熱卵黄つなぎ」はほとんどの場合摂取でき、「加熱全卵1/4つなぎ」は5-20%程度、「炒り卵1個」は30-60%程度でアレルギー症状が誘発されます。
「クラス3」の方は「加熱卵黄つなぎ」は5-15%程度、「加熱全卵1/4つなぎ」は20-40%程度、「炒り卵1個」は60-80%程度でアレルギー症状が誘発されます。
いかがでしょうか?少なくとも「加熱卵黄つなぎ」程度であれば摂取できる可能性はかなりあります。食物アレルギー診療の原則は「必要最低限の食物除去」と言い、食べられる範囲で食べていることで治るのが早くなります。逆に言えば、採血結果のみでの不適切な除去をすると食物アレルギーが治りにくくなりますので注意が必要です。
採血でよく「卵白」と一緒に測定する「オボムコイド」については以下の記事を参考にしてください。
(オボムコイドのクラス2, クラス3ってどれくらい食べられるの?)
当院で実際にどのような食物アレルギー診療をしているかはコチラをご覧ください!